“悪いことをした人”の立場というのがムズムズする感覚

ーー拘置所のシーンも印象的でした。

「セットでの撮影でしたが、個室がすごく狭くて、仕切りのすぐそばにトイレがあったりして……ほんの少しの時間でしたが、すごく居心地の悪い空間だと感じました(笑)」

ーー裁判所のシーンでは、被告人席に座るシーンもありましたが、これも初めてだったんですか。

「実は以前に映画の撮影でも経験があって。でも、やっぱり、注目される場所だし、“悪いことをした人”の立場というのがムズムズする感覚でしたね。早く、その場から抜け出したい気持ちになりました」

ーー第2話ラストの春斗とのシーンも、印象的でした。殺人事件の容疑者になったさくらが、「控訴を取り下げます」と春斗に言われるシーンですが、目が少し潤んでいたように見えました。

「控訴を取り下げてもらえなかったら、15年くらいの懲役になってしまう場面だったので、春斗の想いが心にしみて、自然と目が潤みました」

ーーさすがプロフェッショナル。ところで、齊藤さんの芸能界入りは『けやき坂46』でしたね。

「小6の頃から芸能界に憧れていて、中学生のときには『AKB48』にハマって、大島優子さんの大ファンになったんです。もともとダンスを習っていたこともあり、アイドルって楽しそうだなって。
 でも、中3のとき、急に“歌”に目覚めて……極端なんですけど、ダンスをやめて歌に集中するようになりました」

ーー歌に目覚めた、きっかけは?

「家族でカラオケに行ったときに、すごく褒められて。それが人生で初めて歌を褒められた経験で、すごく嬉しくて、“歌手になりたい!”と思うようになりました」

(つづく)

齊藤京子(さいとう・きょうこ)
1997年9月5日、東京都生まれ。A型。T155。2016年、『けやき坂46』(19年に『日向坂46』に改名)メンバーオーディションに合格し、デビュー。24年4月にグループを卒業。ドラマ『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)、『いきなり婚』(日本テレビ系)では主演を務めた。現在、バラエティ番組『キョコロヒー』(テレビ朝日系)でMCを務めている。公開予定では『(LOVE SONG)』(10月公開)と『恋愛裁判』(今冬公開予定)がある。