「わらしべ人生」
こうした研究によってわかった「傾向」は、興味深いものばかりだ。
●萌え系のメイドには共鳴音が、ツン系のメイドには阻害音が好まれる。
●プリキュアの名前において、敵の名前のほうが味方の名前より阻害音を含みやすい。
●モンハンのモンスターの体長は、名前の長さと相関する。
●ドラクエの呪文の強さと名前の長さは相関する。
●濁音は、ウルトラマンシリーズの怪獣の名前に頻出する。
●ドラクエの呪文の名前に含まれる濁音の数は強さとともに増加する。
●ディズニーの悪役の英語名には濁音が多用される。
(川原繁人『なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか? 言語学者、小学生の質問に本気で答える』より)
あらためて、興味深い言語の世界に生きる川原さんに、自身のTHE CHANGEと呼べる変化はなんなのかを尋ねた。
ーー川原さんにとってのTHECHANGEとは、なんでしょうか。
「難しいんですよね……なんていうか、わらしべ人生なんですね。
わらしべ人生という言葉で私が言いたいことは、THECHANGEという企画趣旨そのものの反対を主張しているようで恐縮なんですけど、われわれって魔法の王子様がやってきて、人生幸せにしてくれるとか、宝くじ当たれば私の人生ハッピー、ということを願うことが多いじゃないですか。¬
一つの魔法のような何かが起こればすべて解決、みたいに思うけど、人生そういうふうにはたぶんできてない。
積み重ねなんですよね」