どこか影やひとクセある役に、さらなる深みを持たせる俳優・北村有起哉。かと思うと、一見イメージにない、真逆に振ったような愛らしい役をキュートに演じることも。とにかくうまい、かつ魅力的。数年前には、同じく俳優の妻・高野志穂と、CMにて自然な夫婦共演を見せて話題を集めた。そんな北村さんのTHE CHANGEとは──。【第4回/全4回】

北村有起哉 撮影/有坂政晴

──1998年の映画『カンゾー先生』デビューから、数々の作品に出演されてきました。一線で活躍されている先輩たちをご覧になってきて、共通して感じることはありますか?

「優しくて緊張させない。聞き上手な方が多いですね。もちろんシーンによっては、集中や緊張感が必要なときもありますけれど、基本、フラットに話しかけてくれて、人としての余裕が、大きさがある気がします」

──北村さんも先輩として立つことが増えていると思いますが、ご自身が周囲と関係を築いていくうえでは、どんなことを大切にしていますか?

「無理せずフラットに接することですね。自分が頑張りすぎないことで、相手も安心してくれるだろうし、信用、信頼を築けると思います。でも相手によっては、これ以上深入りしてほしくないという人もいるので、接し方はそれぞれです。ただ、これはみなさんやっていることですよね。あと大切なのはシャレっ気と、ちょっと斜に構えたような遊び心。これは自分には、たまたま根っからあるのかなと思います」