映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』で、主人公の教師〝薮下誠一〟を演じる綾野剛。2003年に『仮面ライダー555』で俳優デビューして以来、唯一無二の魅力を放ち続ける個性派俳優のTHE CHANGEとは————。【第3回/全3回】

インタビューの中で、何度も綾野剛の口から発せられるのは、「作る」という言葉。彼にとって、もっとも興味があるのは、何かを作るということなのだろうか?
「それぞれタスクを抱えている人々が作り出すチームワークを美しいと思いますし、純粋に好きなんです。〝ひとりではできない〟が一番おもしろい。ですから、僕にはチームが必要不可欠です。チームのメンバーは作品作りに直接関わった人だけでなく、たとえば今日インタビューをしてくださっているみなさんも『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』の一員ですし、これから映画を観てくださる方々も、作品を育ててくださる大切なチームです」
俳優はもちろんのこと、カメラ、音声、衣装、ヘアメイク、タイムキーパー…作品を作るためには、非常に多くのプロフェッショナルたちが関わり、彼らを引っ張って行くのは、三池崇史監督だ。
「三池さんは、さまざまなジャンルの作品を生み出し続けられています。今作はルポルタージュがベースにありながら、サスペンスやホラー、さらにはホームドラマ、ヒューマンドラマの要素も詰め込まれて、1本の中でジャンルのアンサンプルが起きている。まさしく総合芸術ですし、三池監督だからこそ実現できた作品だと思います」