マルチな俳優にして、自身も熱烈にエンタメを愛してきた上白石萌歌。この夏には、小劇場の聖地・下北沢の本多劇場(東京都世田谷区)で新作舞台『震度3』に挑む。10歳から表舞台に立ち、創作の現場で苦楽を味わってきた上白石のTHE CHANGEとは──。【第2回/全4回】

上白石萌歌 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/坂本怜加(Allure) スタイリスト/道端亜未

 14年前の2011年、「東宝シンデレラ」オーディションに当時10歳でグランプリに選ばれ、俳優の道に進んだ上白石萌歌。そこから表舞台に立ちつつ、大学でも本格的に芸術を専攻してきた。

──大学でも芸術論や映像学を専攻されていたそうです。俳優をやりつつ、さらに学業でも芸術を極めたい、と考えたのはなぜでしょうか。

「何よりエンタメがものすごく好きなんです。休みの日も必ず映画や演劇を見に行きますし、自分がお芝居でへこんでも、すてきな作品を見ると癒やされます。自分の経験や知識だけに頼るのではなくて、もっとこの文化を根っこから知りたいなという気持ちがありました。だから大学で、あらためて専門的なことを学ぼうと決めました」