月並みな言い方だが、透明感という言葉がぴったりとハマる俳優・堀田真由。デビューして今年でちょうど10年という節目を迎えたが、学生から社会人、時代劇から近未来まで様々なシチュエーションで実に様々なキャラを演じ分け、CMでも明るくキャッチーな輝きを放つ。そんな彼女のCHANGEとはーー。【第2回/全3回】

堀田真由 撮影/冨田望

 現在放映中のドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(カンテレ・フジテレビ系)で高校教師・幸田珠々を演じている俳優・堀田真由さん。今年5月でデビュー10年目という節目を迎えた。

「いつも作品と向き合い、目の前のことに一生懸命になっていたら、気が付けば10年経っていて……あっという間だったなという感覚でした」

 堀田さんが俳優を志すきっかけとなったのは、映画『るろうに剣心』(2012年)を観て、「日本映画でもこんなにカッコいいアクション映画を作れるんだ」と感銘を受けたことだった。そして、ドラマ『テミスの求刑』(2015年)でデビューし、その後、多くの作品に携わってきた。その中でも代表作と自負できるのはNHKのドラマ10『大奥』(2023年)だという。男女が逆転した江戸パラレルワールドの徳川家を舞台にした時代劇で、堀田さんが演じたのは3代将軍・徳川家光の娘・千恵役。後に男性の家光が他界したため、身代わりとして徳川家光となる役どころだった。

「悲惨な運命を持った役でしたし、彼女がいなかったら『御鈴廊下』(本丸と大奥を繋ぐ廊下)はできませんでした。ドラマ上でも仲里依紗さん(五代将軍・徳川綱吉)や冨永愛さん(八代将軍・徳川吉宗)に繋げていくような役割を担わなければいけなかったので、その役自体が一見強そうに見えても、内面の儚さとのギャップをパラレル時代劇という特殊なシチュエーションの中でどのように伝えていけるのかというプレッシャーはありましたし、一生懸命演じさせていただいた作品でした」