生活の中での最近の「CHANGE」は?
これまでのキャリアや最新作『囁きの河』についてうかがって、インタビューも終盤、一つおうかがいしたのですが…と、切り出したのは宮崎美子さんとラップについて。1987年に『だからDESIRE』という楽曲をリリース。テレビCMにも起用され、CMに起用された「日本の女性ラッパー1号なのでは?」と、うかがった。
「そうなのよ(笑)。(プロデュースした)近田(春夫)さんはそうおっしゃったんですよね。でも全然物にならなかったわけですけど(笑)。そもそもみりんのコマーシャルで、30秒の曲として近田さんが作ってくださったのを、面白いねということでレコードにしたんですね。面白い曲でしたよね。早すぎたのかな(笑)」

唐突な質問にも嫌な顔一つなく、そんなこともあったわね、と朗らかに返してくださる。俳優の仕事を続けるときに「やってみたら」と先輩の河内桃子さんが言ってくれたという言葉そのままに、様々なことに「じゃあ、やってみようかな」、としなやかに挑み続けてきたのがわかる。そんな宮崎さんに最後に、生活の中での最近の「CHANGE」はありますか? とうかがった。
「小っちゃな箱庭的な、コンテナ畑を借りて野菜を育ててるんです。ちょっとそれが役にも通じるし、それこそ『おむすび』にも通じたんですけれども、何年か前からやっています。そんな箱庭みたいなところの野菜でも、毎年、年ごとに出てくる虫も違うし、出来具合も違う。そういうことが直に感じられるようになったというのが、変化かな。そうそう、明日人参を収穫する予定なんです。人参がね、めちゃくちゃ元気に葉っぱは出てるんですけど、果たしてちゃんとできてるのか。どうかな。ドキドキします(笑)」
常に柔らかなスタンスが言葉からにじみ出る宮崎さん。そのスタンスから生み出される幅の広い役柄は今後も楽しみだ。
(つづく)
宮崎美子(みやざき・よしこ)
熊本県出身。1980年に『週刊朝日』の表紙モデルに起用された後、ミノルタカメラのCMに出演。同年ドラマ『元気です!』(TBS)の主演で俳優デビュー。以降、映画、ドラマ、舞台、クイズ番組などで広く活動する。映画『雨あがる』(00)で日本アカデミー優秀主演女優賞、ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。近年の主な出演作に、連続テレビ小説『おむすび』(NHK)「介護スナックベルサイユ」(東海テレビ)「しあわせは食べて寝て待て」(NHK)など。故郷の熊本では『週刊山崎くん』(RKK熊本放送)にレギュラー出演中。
(作品情報)
『囁きの河』
出演:中原丈雄 清水美砂 三浦浩一
渡辺裕太 篠崎彩奈 カジ 輝有子
寺田路恵 不破万作 宮崎美子
監督・脚本:大木一史
配給:渋谷プロダクション
全国順次公開中
公式サイト: https://sasayakinokawa-movie.com/