『水戸黄門』や『相棒』シリーズといった名作への出演にはじまり、「温泉俳優」なる新ジャンル開拓や、情報バラエティのMC、近年は自ら「ゴーストハンター原田」と名乗る心霊系YouTuberとしての面など、さまざまな顔を持ち合わせる原田龍二。不祥事謝罪会見を成功させた稀有な芸能人でもある。紆余曲折を経て、今年10月には55歳を迎える原田さんのTHE CHANGEとはーー。【第1回/全4回】

『カメラを止めるな!』や『侍タイムスリッパー』など、近年、ヒット作を送り出すことでも再注目されている老舗映画館の池袋シネマ・ロサ。その一室に、原田さんは約束の時間より少し早く姿を見せた。
太平洋戦争終結から80年を数える今年は、多くの戦争映画が公開される。原田さんが主演を務める『ハオト』も、そのうちの1本である。2005年に下北沢の本多劇場で初上演された同名演劇を映画化。太平洋戦争末期の精神病院が舞台の異色作だ。
「最初に、事務所ではなく直接僕に“主演でお願いしたいんです”と声をかけていただいたんです」と話し始めた原田さん。
監督・脚本・プロデューサーを手掛けるのは、石ノ森章太郎を父に持ち、自身は俳優としての活動も知られる丈。
「僕は監督としての丈さんを知りませんでした。それでまずは脚本を読ませていただいて、すごい作品を書く人なんだなと驚きました」