旧志賀小学校の校舎があったことで、役に入れた

 映画の後半、さらに作品の特徴が加速するが、森の中のロケ撮影の雰囲気が生きている。

「この映画の見どころは、僕はこの佐久市旧志賀小学校の“校舎”だと思っています。この校舎があったことで、役(元エリート海軍兵・水越)に入れたかなと思います」と振り返る。

映画『ハオト』より 原田龍二と長谷川朝晴 (c) JOE Company

 また、ロケ地だった長野県には、個人的にゆかりがあるという。

「小学校のときの夏休みは、毎年、黒姫高原に行ってました。その後も、温泉番組や、ミステリー探索、心霊の番組と、数えきれないくらい、長野県には行っています」

――そうなんですね。

「僕は木や緑を見るのも好きですし。あの匂いが好きです。雨が降ったあとの土の匂いもね。そうそう、土の匂いといえば、ジャングルの土の匂いもたまらないですよ。ドキュメンタリー番組で行ったアマゾンのジャングルとかね」

――原田さんはいろんな場所に行かれていることと思います。これまで特にピンチだった瞬間はありますか?

「あります。24~25歳のときに、『世界ウルルン滞在記』(1995)でスリランカのインド洋でカツオの一本釣りをすることになったんです。そのときはもうピンチというより、大ピンチ、いや、“死ぬな”と」

――それは・・・。