「引き上げるぼくらはもちろん、引き上げられるほうも全身全霊で…」
太平洋戦争中に実在した駆逐艦「雪風」。駆逐艦というのは、「大和」や「武蔵」といった戦艦よりはるかに小型だが、その機動力を生かして魚雷戦や艦隊の護衛、物資輸送などありとあらゆる任務を果たす“海の何でも屋”。沈没艦船からの乗員救助という役目も担っていて、海に投げ出された人々を数多く助けたという。
「雪風の乗員は、ひとりでも多く助けるために艦から身を乗り出して手を差し伸べ、死に物狂いで引き上げるんです。何度も出てくるこの救助のシーンに、この作品の大きなメッセージがあるので、引き上げるぼくらはもちろん、引き上げられるほうも全身全霊で撮影に臨みました」
撮影を通して、玉木が改めて感じたのは、普通であることのありがたさだったという。
「普通という言葉は曖昧(あいまい)で語弊があるかもしれないけれど、ごく当たり前に家族とごはんを食べて、その当たり前を明日、あさってと繰り返すことは、とても幸せなことなんです。だけど、人というのはすぐに欲が出て、普通以上のことを求めてしまう。“足るを知る”ということが必要なのだと、改めて思いました」
そんな玉木は、本作で主演を務める竹野内豊とは、意外なことに初共演だったという。どのような印象だったのだろうか。

玉木宏(たまき・ひろし)
1980年1月14日生まれ、愛知県出身。1998年にドラマ『せつない』(テレビ朝日系)で俳優デビュー。2001年の映画『ウォーターボーイズ』で注目を集め、06年、ドラマ『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)の千秋真一役で大ブレイク。数多くの映画、ドラマで活躍している。主な出演作は、NHK連続テレビ小説『あさが来た』、ドラマ『鹿男あをによし』(フジテレビ系)、『桜の塔』(テレビ朝日系)、『極主夫道』(日本テレビ系)、映画『空母いぶき』(2019)、『キングダム』(2022~2024)、『沈黙の艦隊』(2023)、『ゴールデンカムイ』(2024)など
作品情報)
映画『雪風 YUKIKAZE』
8月15日(金)全国公開
出演:竹野内豊 玉木宏 奥平大兼 當真あみ
藤本隆宏 三浦誠己 山内圭哉 川口貴弘 中林大樹 田中美央
田中麗奈 益岡徹 石丸幹二 中井貴一
主題歌:「手紙」Uru(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
公式サイト:https://www.yukikaze-movie.jp/
