現実離れした扮装の役柄は「メイクをしていただきながら徐々に変身できる(笑)」でも…

 確かに、『極主夫道』(日テレ系)の黒田龍、『キングダム』シリーズの昌平君、『ゴールデンカムイ』シリーズの鶴見篤四郎など、コミックス原作の作品での玉木は、再現度の高さに加え、新たな魅力で原作ファンもうならせる。

「特殊メイクや、現実離れした扮装(ふんそう)の役柄は、気持ちの切り替えを助けてくれます。メイクをしていただきながら徐々に変身できる(笑)。そういった意味では、時代劇も、着付けをしてカツラを着けてもらっている間に、その時代の人になれる。だから、久しぶりに現代物でごく普通の男を演じるとなると、なんだか恥ずかしいんです(笑)。自分と代わり映えしない気がして」

 甘いマスクに、深みのあるいい声。どんな役もこなせる確かな演技力。おそらく、ひっきりなしに出演オファーが押し寄せていると思われるが、引き受ける決め手は何なのだろう?

「メッセージ性の強い作品が好きなんです。『雪風 YUKIKAZE』で言えば、戦後80年という年に伝えるべき作品だと思ったし、“生きる”そして“後世へつなぐ”という、メッセージ性に惹(ひ)かれて、ぜひ参加させていただきたいと思いました」