「実は20代のころにお目にかかったことがあるんです。そのときも…」

 先任伍長がチーフ助監督だとすると、艦長はやはり監督だろう。本作で「雪風」の寺澤一利艦長を演じるのは、意外なことに玉木とは初共演となる竹野内豊。

「作品でご一緒するのは初めてですが、実は20代のころにお目にかかったことがあるんです。そのときも穏やかな方だなと感じましたし、竹野内さんとお仕事したことがある友人たちが口をそろえて“本当に優しい方だよ”と言うので、撮影を楽しみにしていました」

──初共演の感想は?

「とても柔和な空気をまとった方で、戦争を扱った作品だからこそ、竹野内さんが持っていらっしゃる柔らかさが必要だと感じました」

 艦のありようは、艦長と先任伍長の関係性を見れば一目瞭然だという。では、撮影現場で竹野内豊と玉木宏の関係性はどうだったのだろう?

「艦長は、艦橋から指示を出し、先任伍長は艦内の持ち場で汗を流す役目なので、顔を合わせるシーンはそれほど多くないんです。だからこそ、ふたりのシーンは非常に重要で、この作品に込められたメッセージがたくさん詰まったシーンになっているのではないかと思います」