無意識に「自分一人でなんでもできる」と思っていた

――ご長男の誕生は、確かに人生の大きな転機だと思います。

「もちろん、長男の誕生自体も大きな“転機”なんですが、それだけじゃなくて……。それによって仕事に一度区切りをつけたという意味でも“転機”でしたし、それまで事務所に守ってもらいながら、そして支えられながら仕事をしてきたということに気づけた“転機”でもありました」

――「知念里奈」は一人じゃなかったのだと。

「そうですね。逆にこのときまで、全然分かっていなかったんだなと、初めて思ったんです。無意識に“自分一人でなんでもできる”と思っていたんですよね。本当は周りの人がいないと何もできなかったのに、って。この出来事がなかったら、私は今もここでこうした活動をしていなかったかもしれません。それくらい、いろいろなことを変えるきっかけになりました」

――その後、沖縄に帰って出産をされますが、親御さんと、どんなふうに過ごしましたか?

「1年近く実家で過ごしたんですが、それも、その後の人生にとって大事な時間でしたね。私、15歳のときに親元を離れているので、両親と一緒に過ごせること自体が感慨深くて。お腹が大きい時期、不安になると川の字で寝てもらったりしていました。ほんと、大事な時間でしたね」

――それから出産を経て、東京に戻って仕事を再開することになりますね。

「はい。その後一人になってからは、母の手を借りて子育てすることになったんです。一緒に面倒見てもらったり。やっぱりお母さんってすごいなと。とにかく母には頭が上がらないです(笑)」

――お子さまは現在、2人いらっしゃるんですよね。

「長男がもうすぐ20歳で、次男が小学1年生です。次男は一番手がかかる年齢ですね」

――ご次男もやっぱりダンスを?

「ヒップホップダンススクールの親子クラスに行ってみたんですけど、息子は自分より私のほうができるのが面白くないようで拗ねるんです(笑)。先生も“ママいいですね!”と言ってくれるし(笑)。だから今は休憩中で」