今回の舞台はひと言でいえば“探り合い”

ーー登場人物たちも等身大で、スーパーマン的な存在ではない?

「そうなんです。誰もが自分を投影できる人間ドラマだと思います」

ーーそういう平凡な人間を演じるお芝居のほうが、難しそうですね。

「ひと言でいえば“探り合い”ですね。会話の中で、この人は何を考えているのだろうと探り合っていく感じです。心情がはっきりと分かる芝居やセリフもないので、観る人はもちろん、演者側も毎回、違う演技になりそうだと」

ーーそんなこと言われたら、全公演を観たくなるじゃないですか!

「ぜひ、毎日、観に来てください(笑)。どの役に感情移入するかによっても、感動や共感するポイントが違うと思います」

ーーなるほど! 自分が家族の中で、どのような立場なのかで見方が変わるわけですね。

「はい! 家族だからこそ一筋縄でいかない部分とか、絶妙に埋まらない溝みたいなものって、あるじゃないですか。そういう意味でも、家族の大切さにも気づける舞台なのかなと」

ーー家族で観に行ってもいいかもしれませんね。

「客席に家族連れがいると嬉しいですね!」

ーーさらに中村さんは、この秋には、主演映画も上映予定なんですよね。

「そうなんです。公開日はまだなんですが、ぜひ楽しみにしていてください!」

ーー映画のタイトルは『じっちゃ!』。これは、今年で市制施行20周年を迎える青森県つがる市の記念映画。中村さんは、どんな役なんですか?

「私は、つがる市でメロン農家を営む祖父の孫娘役です。ずっと東京に住んでいたんだけど、あることがキッカケで、つがる市へ移住することになるんです」

ーーじゃあ、津軽弁をしゃべるんですか?

「はい! めちゃくちゃ難しかったです。現場に入る前から、津軽弁のテープを聞き込んで、現場にも方言を指導してくれる人に来てもらって、ずっと教えてもらっていました」