「限界を感じていた」矢井田 瞳の目の前に現れた存在が人生を変える

「そんな数ある出会いの中でも、特に大きな出会いだったと感じるものは、HEATWAVEの山口洋さん(福岡出身のベテランロックバンドで、ボーカル&ギターを担当。コアなファンが多数存在する)と出会ったことです。そのころ、ちょうど自分の限界を勝手に感じていて。“もう、ここまでかな”って思ってしまっていたんです。2004年か5年ごろのことです」

矢井田 瞳 撮影/冨田望

「思い返すと、考えすぎていただけなんですが、当時はかなりふさぎ込んでいました。そんなとき、洋さんと出会って“そんなにひとりで抱え込まないで。もし、自分だけで作るのが大変なら、誰かとコラボレーション(以下、コラボ)してもいい。音楽にはさまざまな形があるし、世の中にはたくさんミュージシャンがいるんだから、いろいろな人とやったらいいよ。せっかく曲を書いて歌えるんだから”というようなことを言ってくださったんです。その言葉によって、肩の力がすごく抜けたというか、大きな気づきをいただきましたね」