平成の歌姫、華原朋美さん。世間にさまざまな影響を与えた一方で、その芸能生活は波乱万丈でもあった。ただ、どんなことがあってもデビューから変わらなかったのは、聴く者の心を揺さぶる類まれなその歌声。今年、デビュー30周年を迎える華原朋美さんの、THE CHANGEとは。【第1回/全4回】

華原朋美 撮影/三浦龍司

 撮影前、リラックスした口調でスタッフと談笑する華原朋美さん。9月9日にLINE CUBE SHIBUYAで開催されるデビュー30周年記念スペシャルライブのセットリストについて、「もうほんっとうに悩んだんですよ」とフランクに話している。それもそのはず、華原さんといえば90年代を代表する歌姫であり、ミリオンセラーも数知れず、『I'm proud』や『LOVE BRACE』などその時代を過ごした者に深く刺さる名曲ばかり。厳選に頭を悩ませるのも頷ける。

「まずは50曲ほどリストアップしました。それで、お客さんのことを考えるんですね。私が”この曲を歌いたいからセットリストに入れる”ではなくて。歌うのは私だけど聴くのはお客さんなので、お客さんの感情がどうやって流れていくのかを考えるんです。こういう気持ちになるだろうな、とか。この曲を聴いていたのあのときはこうだった、とか、振り返る思い出がそれぞれの人生にあるじゃないですか。LINE CUBE SHIBUYAのキャパは約2000人ですが、2000人の方がそれぞれの人生を歩んで来ているんです。それに近づけるようなセットリストになればと考えました」

ーーそうですね。華原さんの曲とともに、自分の青春時代が蘇る方も多いと思います。

「30年前はいまのようにネットが普及していない時代だったし、好景気、不景気、コロナ……30年の間に本当にいろんなことがあったと思います。それに沿って、改めて歌詞を一文字一文字読みながら、“これを歌ったあとにこの曲のこのメロディーが入ってきたら、心になにかが芽生えるかも”とか、そういうことを考えてセットリストを作りました」