平成の歌姫、華原朋美さん。世間にさまざまな影響を与えた一方で、その芸能生活は波乱万丈でもあった。ただ、どんなことがあってもデビューから変わらなかったのは、聴く者の心を揺さぶる類まれなその歌声。今年、デビュー30周年を迎える華原朋美さんの、THE CHANGEとは。【第2回/全4回】

華原朋美 撮影/三浦龍司

 歌手デビューは1995年、今年30周年を迎えた華原朋美さん。9月9日にはLINE CUBE SHIBUYAでデビュー30周年記念スペシャルライブを開催するなど、メモリアルイヤーを精力的に過ごしている。そんな華原さんに「THE CHANGE」について問うと、「マイクを持ってステージに立った瞬間」と教えてくれた。

「“華原朋美”は、ヘアメイクをしてもらい衣装を着て、スタッフの方に背中を叩いてもらって、“行ってきます!”と言ってステージに行くんです。階段を駆け上がって、これでコケたらみんな笑ってくれるかなとか思いながら、でもコケずに出ていって、そこに立った瞬間が私が変わる瞬間で。その“CHANGE”はファンの方がいてくれるからこそなんですよね。だからこそ、私はこうしてマイクを持ってステージに立つことができるんです」

ーーデビューの瞬間もまた、CHANGEの瞬間でしたか?

「そうですね。それ以前は遠峯ありさという名前で活動していて、仮歌さん(※歌手が歌う前の楽曲に、歌を入れる役割)もやっていて。華原朋美としてデビューしたとしても、TKファミリーだったとしても、小室哲哉さんが曲を書いて提供してくださったとしても、売れるか売れないかなんてわからないんですよ。そんな中で、本当に一生懸命になってくださった小室哲哉さんには感謝しかありません」