福岡県に住む、普通の女の子だった兒玉に父が持ってきたビッグニュース

 そんなある日、父親がビッグニュースを運んでくる。

「AKB48の姉妹グループを福岡で作るためのオーディションがあるっていうんです!」

 オーディションが行われたのは2011年。大島優子前田敦子がセンターを競い、“神7”と呼ばれるメンバーが大活躍していた、まさしく黄金期だ。

「合格したら、福岡にいながらアイドルになれる! 迷わず、ガラケーで写メを撮って、自分で応募しました」

 書類審査を通り、実技に進んだものの、ダンスも歌も未経験の彼女は、ボロボロ。何もできないまま終了し、打ちのめされた気持ちで結果発表に臨んだという。

──合格者、13番兒玉遥

 その声が聞こえたときのことを振り返って、こう言う。

「頭の上に大きなハテナマークが浮かびました。なんで? って。そして、このときから、わたしの人生が大きく動き出しました。まさしく、THE CHANGEの瞬間でした」

(つづく)

こだま・はるか
1996年9月19日生まれ。福岡県出身。2011年7月10日、HKT48の第1期生オーディションに合格し、メンバーとして活動開始。センターポジションも務め、16年には第8回AKB48選抜総選挙で、自身最高となる第9位に。2019年6月にHKT48を卒業し、現在は俳優として活動しており、主な出演作は、映画『空のない世界から』(22)、『僕らはみーんな生きている』(22)、『渚に咲く花』(22)、『岡本万太』(25)、連続テレビ小説『おむすび』(NHK)、舞台『フラガール』(22)、『夜曲〜ノクターン〜』(23)など。
公式サイト:https://kodama-haruka.com

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