キラキラと輝くアイドルの“リアル”を赤裸々につづった書籍『1割の不死蝶』
活動を休止していたころ、彼女はその理由を「体調不良」としていた。そして、グループを卒業してから「実はうつ病だった」とSNSでファンに告白。今回、1冊にまとめたのは、自身の経験を伝えることで、同じようにつらい思いをしている人たちの参考になればという気持ちと、アイドルという存在のリアルを知ってほしいと気持ちがあったという。
「わたしもグループに入るまではそうでしたが、アイドルってキラキラしていて……何て言うのかな、普通の女の子とは全然違う、完璧な存在……みたいなイメージがあると思うんですよ。でも実際は、みんな普通の女の子と同じように欠点もあるし、傷つくし、悩みながら一生懸命に生きているんだよ、ということを知ってほしかったんです。そうすることで、いま現在アイドルとして頑張っている人たちの心がちょっとでも軽くなってくれればいいな、と」
キラキラ輝くアイドルに憧れる普通の女の子だった彼女が、大きな一歩を踏み出したのは、福岡市内の中学校に通っていたときのことだった。
「芸能界に憧れてはいたけど、まわりにそんな夢を持っている子はいなかったし、福岡からどうやったら芸能人になれるのか、見当もつきませんでした」
