HKT48の“はるっぴ”として人気となり、第8回AKB48総選挙では自己最高の第9位に輝くなど、アイドルとして絶好調だと誰もが思っていたときに、うつ病を発症して活動休止。復帰後は俳優として活躍する、兒玉遥のTHE CHANGEとは──。【第1回/全4回】

兒玉遥 撮影/有坂政晴

 『1割の不死蝶 うつを卒業した元アイドルの730日』。これは、兒玉遥がアイドルとして輝きながらうつ病を発症し、復帰するまでを赤裸々につづった書籍のタイトルだ。

 「タイトルにある“1割”は、2度目の活動休止中に受診した心療内科の先生から“元気な姿に戻れる確率”として告げられた数字です」

 たった、1割……。多くの人はそう思って絶望するかもしれない。しかし、彼女の母親は「1割もある」と希望を感じ、娘に寄り添い続けたという。

「母は、HKT48のオーディションに合格したときから、全面的にバックアップしてくれていました。うつ病を発症して家にいたときは、ずっと一緒にいて、“遙のことはわたしが守る”って抱きしめてくれて……うれしかったし、ありがたかったですね。わたしが、うつ病を卒業できたのは、母の存在がすごく大きかったと思います」