俳優として初めて出演したドラマ『幽かな彼女』での経験

――最近でいうと、ドラマ『恋愛ルビの正しいふりかた』(TOKYO MX/以降『恋ルビ』)でも、今回の映画『男神』も、全く違う人物をとても自然な演技で表現しているなと感じました。そもそも、岩橋さんが俳優業に挑戦してみようと思ったきっかけは何かあったのですか?

「最初に俳優として出演したドラマ『幽かな彼女』(カンテレ)は、僕がまだ役者として“超ベイビー”な14、5歳のときだったので、何のことかわからないままクラスメートの役として現場に行って、知らぬ間にドラマを撮っているという状況だったんです。そういう感じで育ってきたので、最初はもう大根演技すぎて、いろんな人から厳しい言葉をいただきました。でも、それがあったからこそ今があると思っています。

『幽かな彼女』は香取慎吾さんが教師役で主演だったのですが、香取さんから多くのことを教わりました。そこから少しずつ舞台やドラマなどでいろんなお芝居をしていく中でたくさんの経験を積ませてもらいました。

『恋ルビ』に関しては、前回の出演作から結構期間が空いていたんですが、やってみたら意外と楽しいなと感じることができました。やりながら“この感覚だったなぁ”と思い出していましたし、逆にブランクがあったから、自然に感覚が取り戻せたのかなと思います」

 長い間ブランクがあると、次に同じことをやろうとしても少し怖気づいてしまうものだが「今回の映画初出演も、お芝居の仕事が増えてきたこともありがたいですし、どんどん挑戦してみたいです」と笑顔で話す岩橋さんに、確かな手ごたえと自信が感じられた。次回は、岩橋さんの「役者」としての考えについて、もう少し聞いてみた。

岩橋玄樹 撮影/有坂政晴

(つづく)

取材・文/根津香菜子

いわはし・げんき
1996年12月17日、東京都生まれ。2021年12月に1stシングル『My Lonely X’mas』でソロデビュー、23年3月にはアメリカの芸能事務所「Three Six Zero」とエージェント契約を結び、活動の幅を広げてきた。俳優としてドラマ「恋愛ルビの正しいふりかた」(TOKYO MX) に出演。

作品情報
「男神」
監督・脚本:井上雅貴、出演:遠藤雄弥、彩凪翔、岩橋玄樹、須田亜香里、カトウシンスケら。9月19日(金)より公開。