「アメリカに住んでいると、いろんな創作欲がわく」
――全部を自分で作ってみようと思ったきっかけは何かあったのでしょうか?
「きっかけというか、アメリカに住んでいると、いろんな創作欲がわくというか、外にいるだけでメロディが浮かぶので、すぐにボイスメモに歌って録音して、家に帰ってパソコンで曲を作ることもあります。
そうやってパッと思いついたものが意外と一番人気の曲になることもあるし、すごく時間をかけて作ったのに、あまり人気がなかったこともありますね(笑)。以前、奈良県の春日大社という世界遺産でライブをさせてもらったんですけど、そのライブの最初に歌った曲は短期間で作ったんですが、めちゃくちゃ盛り上がりました」
――どんなところに日本との違いを感じますか?
「なんだろう。天気とか、紫外線の強さですかね?(笑)。僕はLAにいるとき、よくマラソンしているんですよ。LAのいろいろな風景をマラソンしながら見ていると、めちゃくちゃメロディや歌詞が頭に浮かんできて。
それで言うと、絵がうまく描ける時はイタリアにいることが多いです。僕はイタリアも大好きなんですけど、イタリアにいるとアートの神様みたいなのが降りてくるんです。なので、どの国にいるかによって、その国のカルチャーの影響もあって、自分の中にいろいろなアイディアやインスピレーションが降りてくるなというのはあります」
――日本にいるときは何のインスピレーションが湧きますかね?
「それこそ、アイドルの表現というのは日本でしかできないことだと思います。なので、アメリカと日本、それぞれでできる自分の表現を大切にしていきたいです」
滞在する国によって、降りてくるインスピレーションのジャンルが違うというエピソードには驚いた。「アイドルは日本でしかできない」ときっぱりと言いきった岩橋さんの言葉を聞いて、うれしくも頼もしくも感じた。今や世界中から注目を集めているアイドルカルチャーを、岩橋さんがどのように独自の路線で見せてくれるのか。さらに、岩橋さんが思う「アイドル」について深掘りしてみた。
(つづく)
取材・文/根津香菜子
いわはし・げんき
1996年12月17日、東京都生まれ。2021年12月に1stシングル『My Lonely X’mas』でソロデビュー、23年3月にはアメリカの芸能事務所「Three Six Zero」とエージェント契約を結び、活動の幅を広げてきた。俳優としてドラマ「恋愛ルビの正しいふりかた」(TOKYO MX) に出演。
作品情報
「男神」
監督・脚本:井上雅貴、出演:遠藤雄弥、彩凪翔、岩橋玄樹、須田亜香里、カトウシンスケら。9月19日(金)より公開。