端正なルックスと、確かな演技力で、青春ドラマから社会派作品、コメディから骨太なヒューマンドラマまで、幅広いジャンルで見る者を魅了してきた俳優・杉野遥亮。

杉野遥亮 撮影/冨田望 ヘアメイク/佐藤友勝(Rond)スタイリスト/井田正明

 最新作の映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』では、13年のときを経ておとなになった主人公の恋人を繊細に演じている。そんな彼が語るTHE CHANGEとは──。【第3回/全3回】

 2015年、大学生のときに自ら応募したモデルオーディションでグランプリをとって芸能界へ入り、今年で10年。毎年、複数のテレビドラマと映画に出演する、超多忙俳優として過ごしてきたが、自身の中で転機だったと思っている作品はあるのだろうか?

「転機って、自分が俳優として上にあがっていくうえで、ということですよね? だとしたら、“ないかも”といまは思っています」

──いまは? 以前は違っていた?

「そうですね、以前は、先輩の俳優さんとの共演だったり、初めて舞台を経験したことだったり、連ドラで主演をやらせていただいたことだったり、ある意味、わかりやすい転機を思い浮かべていました。でも、30歳になって振り返ってみると、ここまで経験してきたことのひとつひとつが転機であって、これだけが特別というものはないと思うようになったんです。全部が、スペシャルな感じがして」