初のパティシエ役「偶然とはいえ、本当に心強かった」マネージャーの存在

 自分のことを、どこか他人事のように明るく話す様子からは、筧のパブリックイメージでもある、どこか“ほんわかとした天然らしさ”が伝わってくる。

「瀬木直貴監督の奥さまが私のYouTubeを見て、亜美の自然体な姿が私に合うんじゃないかと推薦してくださったことと、私が以前、出させていただいた映画『犬猿』を監督が見てくださった。そういうことが重なって、今回お話をいただきました」

『犬猿』(2018)は、二組の兄弟・姉妹を主人公にした人間ドラマ。筧が演じたのは幾野家の妹・真子役で、人の良さを感じる役がハマっていた。

 話を今回の映画に戻すと、筧が演じる亜美は、パティシエだ。

「パティシエ役は初めてだったので、撮影前に、大牟田市にある実際の洋菓子店のスタッフさんに教わりました。材料を混ぜたりこねたり……という、スナップを利かせた手の動きは本当に難しくて。やはりプロの方の動きは何十年もかけて培われた技術で、それを短期間で習得するのは無理な話でした。でも、撮影のすき間時間に、調理室の奥で練習させてもらって、なんとかプロらしさに近づけたかな……という感じです。

 実は私のマネージャーさんが、以前パティシエのお仕事をしていたので、いろいろと教わることができたんです。偶然とはいえ、本当に心強かったです」