お酒に対する愛情と興味がすごい

――今回の映画は淡路島を舞台に、日本酒の製造に携わる人々を描いたヒューマンドラマ。菊川さんは、農林水産省の官僚である神崎理恵を演じていますね。

「理恵は日本酒が大好きで、お酒に対する愛情と興味がすごい。好きなことに対しての熱量が高く、エネルギッシュな女性ですね」

――演じるうえで、篠原哲雄監督から言われたことはありますか?

「東京から現場である淡路島に視察に訪れる立場ですけど、自ら体当たりで酒造に携わることで、日本酒業界が抱えている問題に踏み込んでいくんです。
 理恵は、職人たちが魂を込めて仕事に向き合う姿に、職人たちは理恵のガッツに共鳴し合っていくんですが、この人間模様は、篠原監督はとても大事にされていたので、私も心を込めて演じました」

――実際に使われている酒蔵で撮影したそうですね。

「はい。酒造りがお休みの期間にお邪魔しました」

――これまで酒蔵を訪れたことはありましたか。

「ドキュメンタリー番組でちょっとだけ日本酒造りを見たことはありました。ただ、今回は具体的な工程を撮影したので、はしごをのぼって樽を上から覗いたり、麹菌を発酵させる過程まで見ることができました」

――より間近で見ることができたんですね。

「発酵したお米の独特な匂いが印象的でした。あたり一面、お米の匂いがモワ~ッと立ち込めていましたね。でも、アルコール発酵はしていなかったようで、酔っ払うことはなかったです(笑)」

――山田錦という蒸し米をひっくり返すシーンも、熱演していましたね。

「機械じゃなくて、人の手で混ぜるんだ! と驚きました。実際にやってみると、気持ち良かったですよ(笑)」