撮影で本物を飲むわけにはいかないですよ(笑)

――利き酒のシーンもありましたが、無事に撮影できましたか?

「いやいや。撮影で本物を飲むわけにはいかないですよ(笑)。日本酒に見える、お水ですよ」

――失礼しました(笑)。ズバリ本作の見どころは?

「なにげなく飲んでいる日本酒も、私たちが口にするまでに、いろんな人の愛情が注がれているんです。何千年も受け継がれている日本の伝統技能のおかげで、おいしく楽しませてもらえるんだってことを感じてもらえたらなって思いますね」

――日本酒に対する見方が変わりそうですね。菊川さんといえば、ロングヘアのイメージがあったんですけど、ショートヘアにしたのは、撮影の影響ですか?

「いえ! 関係ないです(笑)。子育てもあるし、時間もないので、“えい、やっ!”って思い切ってカットしたんです。乾かさなくていいですから。高校生のときは短かったんで、もう1回、してみようかなって思っていたタイミングだったのもありますね」

――学生時代以来なんですね。菊川さんは、東大の工学部建築学科出身ですが、なぜ建築を学ぼうと思ったんですか?

「クリエイティブな面に興味が湧いたのが大きいです。それでいて、建築は現実社会と密接なつながりがあって、そういう実践的なところも良いなって思ったからですかね」

 そんな菊川さんがスカウトされたのは晴れて東京大学に入学したばかりの頃だった。「芸能界の道を進むことに、まったく迷いはなかった」という。

(つづく)

菊川怜(きくかわ・れい)
1978年2月28日、埼玉県生まれ。1998年、東京大学工学部在学中にスカウトされ、異色の現役東大生モデルとして注目される。卒業後は女優に転身し活躍。2012年7月より、『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系)の女性キャスターを担当。2024年、ドラマ『買われた男』(テレビ大阪)で8年ぶりにドラマ出演した。

ヘアメイク/山田典良
スタイリング/青柳裕美(Azzurro)
衣装/ダックス(ブラウス)、レオナール(スカート)、銀座かねまつ(シューズ)