純烈との兼ね合いも…「2年くらいは意図的に空けたいと思っていた」

「純烈との兼ね合いもあって、2年くらいは意図的に空けたいと思っていたんです。僕はソロのアーティスト活動がしたくて卒業したわけではなくて、逆に卒業後すぐにソロライブをやると、ファンの方たちのは“小田井はソロで音楽をやりたかったから卒業したんだ”と映るじゃないですか。それで“音楽の方向性が合わんかったから辞めたのか”と誤解されたらイヤやなあと」

 そして3年がたち、「純烈が今の体制で落ち着いてきたし、今の純烈のライブに来ている方の中には僕がいる純烈を知らない人も増えてきただろうし、もういいかなみたいな」と古巣への気遣いを漏らす。

ーー9月1日に開催情報を解禁しましたね。「”架空の歌番組”をコンセプトにした『エンタメ歌謡ライブ』だそうで、SNSではファンの方から多くの反響がありました。オファーがあったのはいつごろですか?

「今年に入ってからです。ちょうど自分でもやりたいと思っていたので、それならいま僕があたためているものをそのままぶつけてみようと思いました。ほぼほぼカバー曲で、ゲストにも来ていただくつもりです。純烈時代に歌っていた曲ももちろん歌いますが、さきほどの岡村さんのように新しいこともやりたいと思っているんです。

 と思いつつ、今まで純烈を応援してくださった方々が楽しんでくださるような、僕もカバーさせてもらっているさとう宗幸さんの『青葉城恋唄』といった感じの曲も入れつつ、ジャンルレスで自由な振り幅でやりたいと思っています」

小田井涼平 撮影/三浦龍司

ーーそれで「架空の歌番組」というコンセプトなんですね。

「そうですね。ベスト10形式ならアイドルの曲もロックもごちゃまぜになって自然ですからね。モノマネではないけれどそのアーティストになりきって、司会とかも入れて曲の合間にちょっとした掛け合いもやりたいなと思っています。ただ、まだどうなるかわからないので。今は曲のセレクト段階で、尺も考えたりしなきゃで。とにかく来てくれるお客さんが楽しめる内容にしたいんですよ」

 楽曲はジャンルレスだが、根底には一貫して"エンタメ”がある。「純烈・小田井涼平」のファンも、小田井さん自身のファンも、そうでなくとも、根こそぎ巻き込み楽しませてくれそうなパワーを感じるのだった。

おだい・りょうへい
1971年2月23日生まれ、大阪府出身。仙台での会社員を経てモデル活動を開始し、上京後、2002年放送『仮面ライダー龍騎』(テレビ朝日系)のメインキャラクターで俳優デビュー。2007年に酒井一圭の誘いで「純烈」メンバーになると、2010年に『涙の銀座線』でメジャーデビューを果たす。スーパー銭湯などを主戦場に熱いファンを獲得し、サービス精神満点のファンサービスが話題に。2018年から卒業した2022年まで『NHK紅白歌合戦』に5回連続出場。2022年10月にはソロアルバム『息子がお世話になりました。』を発売。2017年にタレントで映画コメンテーターのLiLiCoと結婚した。『大好き東北 定禅寺しゃべり亭』(NHK仙台)や『今泊まりたい!いいふろ温泉宿』(BS10)ほかにてレギュラー出演中。