芸歴半世紀以上、俳優・柄本明の人生は、幼いころから演劇で彩られてきた。映画に憧れ、劇団を立ち上げ、いまもエンタメの第一線で活動し続けるとともに、下北沢に根を張って芝居を続ける。柄本明の人生をつくってきたTHE CHANGEとは――。【第2回/全4回】

柄本はドラマに映画、あるいはラジオドラマや朗読劇と、マルチに役者を続けてきた一方で、49年前の1976年に立ち上げた『劇団東京乾電池』の灯も絶やさなかった。だが「なんかだらだらだらだらと、結局続いちゃいましたね」とあっけらかんと振り返った。
「続けられないかも、と思ったこともないですね。でも劇団ってそういうものです。芝居なんかで経済って生まれないから。だけど生まれないからこそ続くんだよね。そこがエサ場だったら続かないよね。この言葉がどう通じるか分からないけど、やっぱりアマチュアでやってきたからじゃないですかね。“アマチュア”という一言でくくるのはなかなか難しいかもしれないけど」