M-1審査員も全員後輩「いろいろ教えてもらうしかない」

 またしても大きな手術を乗り越えたジュニアさん。ひとつの肩書に留まらない活躍を続けているが、基盤である芸人としてスタートを切った大阪NSC入所時は、15歳だった。現在、51歳。結婚して家庭を持ち、3人の子を持つ父にもなった。

――ご自身が先輩になってきたという実感はありますか。

「あります。M-1なんか見ていても、ふと“あれ、審査員、全員後輩やん”と思ったりしますし。芸人としての意識は別に変わりませんけど、ただこれからは後輩にいろいろ教えてもらうしかないなとは思いますけどね」

――後輩に教えてもらう。

「そういう感覚もあります」

――3人の子のお父さんでもあります。父親になったことは、ジュニアさんに大きな変化を与えていますか?

「子どもがいるからこそ、アクセルを踏み込めるといったことはあります」

――ブレーキではなく、「アクセルを踏める」ですか?

「子どもができたら守りに入ると思われるかもしれませんけど、自分は全く逆です。“非常に優秀なブレーキがついた”ような感覚なんですよ」

――なるほど。

「若い時はブレーキがついていないから、アクセルを踏むのもちょっと怖いみたいな感覚があったと思うんです。それが優秀なブレーキがついた。だからこそアクセルが踏める気がします」

 優秀なブレーキがあるからこそ、アクセルを踏み込める。聞いて納得。そしてつまりこちらとしては、ジュニアさんがアクセルを踏み続ける活躍を、これからも期待できるということである

ちはら・じゅにあ
1974年3月30日、京都府生まれ。1989年に吉本興業の大阪NSCに8期生として入所し、実兄の千原せいじとお笑いコンビ、千原兄弟を結成する。96年より東京に進出。2001年にはオートバイ事故に遭うも復帰を果たす。バラエティ番組のみならず、ジャンルを問わない活躍を見せている才人。俳優としては97年に映画『岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇』で主演デビューし、『HYSTERIC』(00)で第10回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞した。最新出演作は、『ポルノスター』(98)、『アンチェイン』(01)、『ナイン・ソウルズ』(03)でも組んだ豊田利晃監督作『次元を超える TRANSCENDING DIMENSIONS』。

●作品情報
『次元を超える TRANSCENDING DIMENSIONS』
監督・脚本・エグゼクティブプロデューサー:豊田利晃
エンディングテーマ:The Birthday
出演:窪塚洋介、松田龍平、千原ジュニア、芋生悠、渋川清彦、東出昌大板尾創路、(声の出演)窪塚愛流
製作:豊田組
配給:スターサンズ