コロナ禍で孤独な入院も、再び大物と漫画に救われる

――そうでした、再置換することもあると聞きます。

「医者もオレが70歳なら即入れたほうがいいけれど、50歳手前だと、大丈夫だとは思うけれど、ちょっと早いかもと。医者は絶対に大丈夫とは言えませんし。個人差はあるし、人に勧めるわけじゃないですけど、ただ自分は“この痛みから解放されるなら”とやってもらって、オレ個人の話で言えば、よかったと思います」

――その時、ご家族や周囲の方々は。

「子どもは小さかったし、よく分かっていなかったでしょうね。当時はコロナ禍だったので、みんな病院にも来られないし、ずっとひとりでした。手術もめちゃくちゃ痛かったし、痛み止めで意識ももうろうとしているし、タブレットがあっても、映画やテレビを見る気にもならない」

――コロナ禍だったんですね。それはさらに大変だったかと。

「そんなときに病室に送りものが届いて。古舘伊知郎さんからの『サザエさん』の4コマ全巻でした。これが何も考えずに読めるし、途中でいつでもやめられる。4コマ漫画ってめちゃくちゃええなと。本当に助かりました」

――4コマといえば、ジュニアさんも描かれていますが(「週刊SPA!」にて連載)、4コマの良さを改めて実感された。

「そうですね。ほんま、何も考えずに時間をつぶせるので」

――そのときの何も考えずに気楽に読める4コマのように、状態によって少しでも気分を軽くしたり、笑うといったことは人にとって大きいでしょうね。

「大きいと思いますね」