5か月間で3作の主演映画を撮影

――今年は主演作が3本も続きますが、この3作をご自身ではどう捉えていますか。

「自分の集大成といえるものはこれまでの作品全部に詰まっているのですが、僕の中では特に今年の『木の上の軍隊』と『ベートーヴェン捏造』、そして今回の『爆弾』がワンセットになっていて自分にとってのひとつの集大成だと思っているし、この3作を見てもらってから僕のことを語ってもらえたらいいなと思っています。それくらいどの作品にも賭けていましたし、自分にかかるプレッシャーもすごくて、正直なところ、逃げ出したくなるような日々でした。

 それは決して現場が嫌ということではなく、数か月間でこの3本をちゃんと見られるクオリティに持っていかなければいけないという事実が、若輩者ながらプロとしての“何か”を試されているような気がして、苦行のような日々でした」

山田裕貴 撮影/冨田望

――その5か月間、どんなことを思っていたのですか?

「11月から3月までの5か月間で『木の上の軍隊』と『ベートーヴェン捏造』と『爆弾』を撮って、クランクアップの次の日からまた次の作品の練習が始まっていたんです。通常だったらもっと準備期間があるのに、なぜ僕はこんなつらいことをやらなければいけないのだろうと思っていたし、それを“挑戦”とも“恐怖”とも感じていた日々だったので、先輩方と共演を振り返る余裕もなかったんです。

 ただ、ものすごくいろいろな熱が飛んでくる人たちと一緒にお仕事ができていることは確かだし、学んだことも並べればたくさんあったと思うんですけど、自分にどんな影響や学びがあったのかは、きっといずれ分かるんだろうなと思っています」