青年時代「音楽だけで生きていくことに迷いはなかったし、プロになって活躍できるものだって、信じていた」

 その日から、バンドのドラマーとしてデビューすることが青山青年の夢となった。

「実は、中学でバンドを組んだときから、進学する気持ちがまったくなくなっちゃったんですよ。だから進路で迷うとか、そういう感覚は一切なくて、高校は行かなくていいとすら思ってたから、学校の先生に“このままの成績だと行ける高校がなくなるぞ”って言われるくらいで(苦笑)。
 それでもかまわないと思ってたんですが、母親はすごく心配して、“高校だけは出ておきなさい”と説得されました。父親は放任主義というか、好きにやりなさいという感じでしたね。僕は、音楽だけで生きていくことに迷いはなかったし、そのときからプロになって活躍できるものだって、信じていたんです」

※NARITA THOMAS SIMPSONの公式インスタグラム@narita.corpより

 持って生まれたドラムのセンスと、努力を重ねて身に着けたスキルを武器に、2006年、5人組のロックバンド・ARMERIA(アルメリア)のドラマーとしてデビューを果たす。ただ、少しほろ苦い思い出もあるようで……。

「僕はレッド・ツェッペリンとか、ディープ・パープルといったハードロックが好きで、アマチュア時代のバンドもそうした音楽性で、ライブハウスなどで演奏していました。活動するなかで、レコード会社の方から声をかけられるようになり、デビューしないかってお誘いをいただくまでになりました。嬉しかったですね」