「僕の夢は“幸せになる”こと」

──サウナの中では、どんな話をしているのですか?

「意外と仕事の話はしませんね。地元の友人もみんな就職して、それぞれの道で頑張っているんです。だから、彼らの話を聞いたり、僕の話を聞いてもらったり。スマホも持たないサウナの中って、ゆっくり話せる貴重な時間なんですよ」

 いままで積み上げてきた経験と、長年の友人とのつながり。この2つは綱さんを奮い立たせ、裏切ることのない大きな“武器”だ。

「僕の夢は“幸せになる”こと。そして現時点でも自分は幸せだし、そう思えることがあらゆる負の感情を消してくれるんです。例えば、主演を務めるプレッシャーに負けてしまいそうになるとき、本心はものすごく焦っていても、これまでの人生で感じたいろんな経験を思い出せば、“主演がなんだ!たいしたことないだろう!”ってとらえられるようになる。“俺は幸せだし、みんなが守ってくれるし”と思い込むことで、やり抜いてしまう。僕はそんな生き方をしています」

 努力でしか得られない自信こそ、いまの仕事に生かせているという綱さん。次回は、彼の心のより所となっている家族の存在。そしてそこに新たに加わった“新しいメンバー”について触れていく。

(つづく)

綱啓永(つな・けいと)
1998年12月24日生まれ、千葉県出身。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで、史上初の敗者復活戦からのグランプリ受賞を果たし、注目を集める。2018年にドラマ『文学処女』(TBS系)で俳優デビューし、翌年には特撮ドラマ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』でメルト/リュウソウブルー役を務める。以降、ドラマ『君の花になる』(TBS系)や『366日』(フジテレビ系)、映画『女神降臨』(2025)、『ネムルバカ』(2025)、『#真相をお話しします』など、数多くの作品に出演。2025年12月5日は映画『WIND BREAKER / ウィンドブレイカー』、2026年には『教場Reunion/Requiem』の公開も控えている。

【作品情報】
ワタナベエンターテインメントDiverse Theater第2弾 舞台『Too Young』
2025年11月13日(木)~24日(月・祝)@紀伊國屋ホール
【脚本】古川健(劇団チョコレートケーキ)
【演出】日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
【出演】宮﨑秋人、綱啓永、伊礼姫奈、岡島遼太郎、大石愛陽、玉置孝匡、朝海ひかる
【提携】紀伊國屋書店