俳優、書家として活躍する、おしの沙羅。2015年に大学在学中にレースクイーンとしてデビュー後、数多くの雑誌で表紙を飾るなどグラビアアイドル「忍野さら」として活躍した。2020年に俳優業に専念すると発表し、23年には自身のSNSで「雨楽(うら)」という雅号で書家として活動することを報告した。
2024 年に放送された玉木宏主演のドラマ『ジャンヌの裁き』(テレ東系)では鳥井千佳子役で俳優として出演したほか、書家として番組タイトル・劇中文字を担当。レースクイーンからグラビアアイドル、そして俳優、書道家へと転身した彼女の「THE CHANGE」とはーー。 【第1回/全2回】
ーー書道家への転身、意外すぎて驚きました!
「祖母が師範で、昔から書道は身近な存在だったんです。祖母の家には、祖母の書いた格言や詩などの作品が、たくさん飾られていたので。でも、本格的に習い始めたのは25歳くらいからでした」
ーー「グラビア卒業」を宣言された時期ですね。その後、フリーランスになり、芸名も改名しました。
「読み方は変わらず、漢字を変えることにしました。下の名前は本名でもあるので。仏教の三大聖樹に「沙羅双樹」という樹があるんですが、書作品にもよく用いられていて、「儚い美」の象徴とされているんですよ。そこから漢字を取りました」
ーー本名なんですか!
「本名のほうは、父が『B・B・フィッシュ』という漫画が好きで、ヒロインの「神無月沙羅」がタイプだったらしく、名付けられたそうです(笑)」
ーー書道を習い始めた、きっかけは?
「禅語を好きになったのが、きっかけです。和尚さんの説法や、いただいた本の影響でした。昔から何かとノートに書き留めるのが好きだったこともあって、知った言葉をもっと、ちゃんと書いてみようと思ったんです。書道を仕事にすることは夢にも思ってなかったけど、数年で師範を取って、可能性を広げるためにも書道家と名乗ってみることにしました」
ーー書道教室は、どういったところなんですか?
「本当に普通の、駅近の書道教室です。おじさまが多かったですね。皆さん一人で黙々と楽しんでいらした印象で、私もときに、1枚に5時間くらいかけて書くこともありました」
ーー1枚、5時間!?
「臨書だと1文字にすごく時間がかかるものもあって。それを何行か書きます。今の簡素化された世の中からするとかなり頑固なことをしてますよね(笑)」