日本の女子野球界の顔といってもいい片岡安祐美さん。監督業、さらに育児に日々、奮闘する片岡さんの「野球愛」に迫りました。【第2回/全2回】
――イチローさんと同様、片岡さんの人生を変えた人に萩本欽一さんがいます。
「大学受験に失敗した頃、ゴールデンゴールズの話がきたんです。監督の欽ちゃんとは福岡で会いました。それまで、私にとっての欽ちゃんは『全日本仮装大賞』で司会をしているおじいちゃん。しかも、私は隣にいる香取慎吾さんのファンでした(笑)」
――欽ちゃんとは、どんな話をしたんですか。
「私は高校球児として甲子園に出られなかった段階で、もう選手として生きていくのは無理かなと思っていました。だから、欽ちゃんに将来の夢を聞かれ、“野球に携わる仕事がしたい”と答えたんです。すると、欽ちゃんは“携わるだけでいいの?”。
このとき初めて私は“プロ野球選手になりたい”と本当の気持ちを言いました。欽ちゃんの返事は、“じゃあ、ぼくが、その夢をかなえてあげる”。こうして、ゴールデンゴールズ入団を決心しました」
――入団後は熊本から茨城に移り住み、大学にも通ったんですよね。
「6年間は選手1本でした。この間、チームは全日本クラブ野球選手権で2連覇を達成。私は大学にも通って、両親に“取りなさい”と言われていた教員免許も取得しました」