選手たちが「安祐美監督をオトコにします」とまで言ってくれました
――その後、欽ちゃんは監督を勇退。次の監督に片岡さんを指名します。
「断るという選択肢はなかったですね。そもそも欽ちゃんは私に言う前に、メディアに『監督は安祐美』と発表してましたから」
――萩本監督からのアドバイスはありましたか。
「女子チームを立ち上げたときなんですが、欽ちゃんに“言葉を大切にするチームにしなさい”と言われました。欽ちゃんは本当に言葉を大切にする人。例えば、チーム発足時も全員に奥さんや彼女など、自分の大切な人の写真を持ってくるように言ったんです。
私は家族4人の写真。欽ちゃんは集まった写真を前に言いました。“みんな、この人たちのために野球をしなさい”。こうした言葉の力が、2連覇にもつながったと思います」
――片岡さんは監督就任4年目で優勝されましたね。
「最初の2年はつらかったです。野球が楽しくなくなり、自律神経失調症にもなりました。ずっと船に乗っているような感じで、食べては戻すの繰り返し。5キロ痩せました。最後はミーティングで、自分の体調を含め、すべて打ち明け、“皆さん、私に力を貸してください”とも言いました。この頃からです。選手との距離が近くなったのは」
――やっぱり、言葉の力は大きいですね。
「やがて選手たちが“安祐美監督をオトコにします”とまで言ってくれました。優勝できなかったら、熊本に帰る覚悟でいましたが、今は一生、野球を続けたいですね。もう一度優勝したいし、去年発足した女子チームも日本一にしたい」