どこにいても華のある人、若村麻由美。2025年11月から2026年にかけて、全国6都市をまわる舞台公演『飛び立つ前に』では、同じ劇作家、演出家による6年前の舞台『Le Pere 父』で父・娘を演じた橋爪功と、長年連れ添った夫婦を演じる。1987年放送のNHK連続テレビ小説『はっさい先生』でのヒロイン役デビューにはじまり、ドラマに映画、舞台と、現代劇、時代劇問わずに魅せる若村さんのTHE CHANGEを聞く。【第2回/全3回】
ヒロインを務めたNHKの連続テレビ小説『はっさい先生』の放送から40年近くがたとうとしている若村さん。
――映像作品に舞台にと活躍を続けていますが、これまでにピンチの瞬間はありましたか?
「ピンチといえば、今がまさにピンチです」
――というと。
「新作舞台の『飛び立つ前に』が、嵐の前に私たちを安心させるためにいる一羽の鳥のことをうたった、ルネ・シャールという人の詩から着想を得た物語なんです。ある意味、家族のなかの大嵐の状態が描かれています。物語そのものもピンチですし、そこで、私は橋爪功さんと夫婦の役なんですよ。それも長年連れ添った夫婦。橋爪さんとですよ。映像ではありえないことなので、演劇の醍醐味のひとつだなとポジティブに捉えて、ピンチをチャンスに変えようと頑張っているところです」