かつて演じた夫婦役は「橋爪さんにはすっかり忘れられていたんです」
――橋爪さんとは以前、『鬼平外伝 老盗流転』(時代劇専門チャンネル)でも夫婦役を経験されていますよね。
「あのときは、歳の離れた若い妻という役柄だったんです。でもね、橋爪さんにはすっかり忘れられていたんです」
――そうなんですか。
「え、そんなの、やったっけ? とかって(笑)。私がお話すると、“ああ、お布団のなかで一緒のシーンがあったのに、手も触れずに撮影が終わって、僕が監督に怒ってたやつだね”と思い出されてました(笑)。今回は50年連れ添ってきた夫婦で、大学を受ける孫がいるという設定ですし、奥貫薫ちゃんが娘役! それなりの年齢だろうと。それを自然に見ていただくにはと奮闘中です」
――若村さんは日本でも上演されてきた、フロリアン・ゼレール作×ラディスラス・ショラー演出による家族をテーマにした三部作(『Le Pere 父』『Le Fils 息子』『La Mere 母』)と今作のすべてに出演されていますが、今作で次女(前田敦子)のフィアンセを演じる岡本圭人さんとは、岡本さんが初舞台で初主演を飾った『Le Fils 息子』で、親子を演じました。
「そうですね。初舞台から母と息子役で、再演もありましたし、『La Mere 母』で、また違う母子として共演して、今回は娘婿の役と、それと彼は謎の男もやるんです」