僕のギターはずっと独学で、メソッドもセオリーもない

　ユニコーンでデビューして、今年で３６年になります。

　僕は今年で６０歳ですが、ギターを弾きたいと思った初期衝動から、何も変わっていませんね。僕のギターはずっと独学で、メソッドもセオリーもない。ただ一生懸命に練習する、それをやり続けた結果が今なんだと思います。

　実は、７年前に前立腺がんの治療を経験しました。定期健診で、腫瘍マーカーの数値が高くなっていることが分かったんです。

　ちょうどユニコーンのツアーを控えているタイミングで、当初はツアー終了後に治療しようと思っていたんですが、自分なりにいろいろ調べてみると、病気になってもＱＯＬ（生活の質）を保てるような方法があるんですね。

　だから、ツアー前に治療することにして、医師の指導により、先端医療で１泊２日の入院で済みました。ツアーも無事に完走でき、現在は寛解との診断もいただいています。病気が見つかって、すぐに対処できたのがよかったみたいです。

　今はユニコーンの活動と、僕と川西さん、ＥＢＩの３人でユニコーンとは別にやっている『電大』というバンド、そしてソロと、さまざまなステージに立っています。

　僕の旗印は“カフェからアリーナまで”。どんな現場でも、お客さんに「あ〜楽しかった！」と言ってもらえる時間を提供したい。それが、僕の仕事です。

手島いさむ（てしま・いさむ）
１９６３年、広島県生まれ。１９８７年、ロックバンド『ユニコーン』のギタリストとしてデビュー。ヒット曲を多数生み出し、人気バンドとなるが、１９９３年に解散。以降、さまざまなアーティストへの楽曲提供やライブ出演、プロデュース活動を行う。２００９年には『ユニコーン』が再結成、２０１２年にはバンド『電大』を結成し、現在も精力的に活動中。