「スタッフや共演の皆さんも協力してくださって」
――それが、実際ものすごい評判になったと。
「そうですね。普通の主婦が大女優になりすますということで、私自身は、主婦と、主婦がなりすましている女優、本物の女優、おまけに最後の最後にイタリア人も出てきたので(笑)、4役やったことになります」
――そうですね!
「この作品は、最終回までのコメディタッチのホームドラマから、最後に普通の主婦が告発するということに大変意味があったのだとは思います。私も、最初に台本を読んだときから、覚悟があって書かれたものだと感じました。ただ、あまりにも時間がないままクランクインしたので、実際にその撮影をする近くになって、やっとじっくりお話をするといった形でした」
――実際の反響を受けてみて、「やはり大きなものを届けたんだ」と感じられましたか。
「プロデューサーや演出家の方から、“こういう風に見てもらいました”と聞いて、そう感じました。ただ私としては、とにかく大役のバトンを受けた以上は、ちゃんとゴールテープを切ることが第一の目標だったので、そこだけに集中していました。スタッフや共演の皆さんも協力してくださって、それがなかったらゴールテープは切れなかったと思います」
――新たなチャレンジになったとのことですが、ゴールにはやはりチームの力が大きいんですね。
「それはもう。映像作品も舞台も、やっぱりチームが一丸となってゴールに向かう。それが醍醐味だと思います」
ちなみに、つい最近では放送中のドラマ『緊急取調室』第5シーズンの第1話、第2話のゲストとして登場し、話題を集めたばかり。主演の天海祐希さんとは、私生活でも仲のいい友人同士として知られている若村さん。「どこが気が合うんでしょう」と尋ねると。「どうなんでしょう。たぶん、ふたりとも女っぽくないところですね」と笑ってみせた。
これまで映画、ドラマでは共演している若村さんと天海さんだが、舞台での共演もぜひ観てみたい。
わかむら・まゆみ
1967年、1月3日生まれ、東京都出身。高校卒業後に仲代達矢主宰の俳優養成所、無名塾に入塾。養成期間中の1987年10月から放送されたNHK連続テレビ小説『はっさい先生』のヒロインにてデビューを飾った。ドラマ、映画、舞台で現代劇から時代劇、古典劇と幅広く活躍している。近年の主な出演作にNHK連続テレビ小説『おちょやん』、ドラマ『科捜研の女』シリーズ、『この素晴らしき世界』『初恋、ざらり』『緊急取調室』第5シーズン、映画『老後の資金がありません!』など。舞台『チルドレン』(18)にて第44回菊田一夫演劇賞を、『Le Pere 父』(19)で第27回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。最新舞台は、日本初演の『飛び立つ前に』、26年4月『メアリー・スチュアート』でエリザベス1世を演じる。
『飛び立つ前に』
作:フロリアン・ゼレール
翻訳:齋藤敦子
演出:ラディスラス・ショラー
出演:橋爪功、若村麻由美、奥貫薫、前田敦子、岡本圭人、剣幸
東京:2025年11月23日(日祝)~12月21日(日) 東京芸術劇場 シアターイースト
兵庫・島根・宮崎・秋田・富山公演あり