2000年に『箱根八里の半次郎』でデビューするやいなや、“演歌界のプリンス”として大人気となり、以来、数々のヒット曲を世に送り出してきた、氷川きよし。約1年8か月の休養期間を経て新たなステージに踏み出した、氷川きよし、そしてKIINA.のTHE CHANGEとは──。【第1回/全4回】
氷川きよしが、黄金の龍に乗って『限界突破×サバイバー』を歌う姿に、誰もが“おったまげ”だったのは、2019年の『第70回NHK紅白歌合戦』だった。黄金の龍に乗り、ヘッドバンキングしながらシャウトする姿は、彼自身が“可能性のドア”を開いた瞬間のように見えた。
「あのタイミングで、あの楽曲に出合っていなかったら、いまの私はなかったと思いますね」
アニメ『ドラゴンボール超』の主題歌『限界突破×サバイバー』をリリースしたのは、40歳を迎えた2017年のこと。演歌歌手として人気絶頂でありながら、自分らしさについて模索していた時期だった。
「子どものころから大好きで、ずっと見ていた『ドラゴンボール』の主題歌を歌わせていただけることがとてもうれしかったし、何か新しいことが始まる予感がして興奮しました。レコーディングのときは積極的に意見を言わせていただきながら、みんなで一緒に作ったという感覚があります」