2024年4月27日のライブは"使命感”に突き動かされた
「2020年の東京ドーム2daysは、ソールドアウトしていたのにコロナ禍で払い戻しになっちゃって、事務所が火のついた車で……あ、ごめんね(同席する事務所社長に向けて)またこれ言って(笑)。そのあとリベンジしましたが、お客さんは声も出せない状況で、すごく縮小してなんとかやりました。でもやっぱり、ちゃんともう1回、お客さんの歓声が届くライブをやらなきゃいけなかったのに、今度は自分の声が出ないなんて洒落にならない。だからこそ、2024年4月27日のライブは、"やらなきゃ”という使命感。もうまさに書いて字のごとく"使命感”に突き動かされていました」
吉井和哉 撮影/横山マサト ヘアメイク/Cana Imai スタイリスト/Shohei Kashima(W)同作にはそんな吉井さんのエネルギーが常に漂い続けたが、一方でもがく姿ものぞかせた。
「ツアー中は辛かったです。声が出なくて、"そのうち声が出せるようになるんで、お願いします”なんてお客さんに言ってね。お金払ってきてくれているのにね」
ステロイド注射を打ったことをメンバーに報告する場面もあった。ファンの前で歌うことだけをただただ見据え続けていた。そうした道のりを経ての4月27日東京ドームのステージに、スパークしたエネルギーに満ちあふれた、人智を超えた存在感で立っていた。