現役時代から現在の野球解説者まで、常に前向きかつ快活な発言で周囲を楽しませてきた“絶好調男”中畑清さん。ときに冗談を交えつつの語り口が人気だが、一方でプレーの細かな機微までしっかり言及する、野球の目利きでもある。今回は敬愛する長嶋茂雄さんから、MLBの頂点にのぼりつめた大谷翔平選手、自身のCHANGE、そして愛する野球の未来まで、たっぷりと語ってもらった!【第1回/全10回】
11月21日、「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」が東京ドームで行われた。長嶋さんを「野球界の原典」とする中畑清さんに「お別れの会」について聞いたところ……。
「俺はずっとお別れはしていないんだよ。俺の中では、長嶋さんはまだ亡くなっていないんだ」
そうキッパリ言い切ると、秋山雅史のヒット曲『千の風になって』を朗々と歌い上げた。歌詞にあるように、長嶋さんは千の風になって、空を吹きわたっているということなのだろう。それほどまでに、中畑さんにとって長嶋さんは超越した存在なのだ。
歌い終わった中畑さんは、巨人に入ったばかりの頃、長嶋さんから初めてかけられた言葉について語り始めた。