数ある“ミスター伝説”の中でも印象深い新人時代のエピソード「宇宙人かと思った」
「入団した年のキャンプ初日、入ったばかりの選手がみんな監督室に呼ばれて、“いいか、お前たちはこれから、ジャイアンツを背負っていく選手になるんだぞ”って言われたんだ。そんなに思ってもらえているのかって、その言葉がずっと脳裏にこびりついていて。長嶋さんの言葉は全部、魔法の言葉のように感じてしまうんだよね。
驚くのが、それを話しているとき、長嶋さんの瞳の色が黒じゃなくてブルーになっていたんだ。よくいう“目の色が変わる”ってやつじゃなくて、本当にブルー。俺は宇宙人かと思ったもの。吸い込まれそうだった。
ただ、本当にそれぐらい、熱が入ったときにはパワーを感じさせる人だったんだ。目の色がブルーに見えたのはそのときだけだったけど、篠塚(和典)も違うときに同じ経験をしたと言っていた。あいつはグリーンだったって言い張っているけど」
そんな篠塚さんと中畑さんは、12月4日に放送された『プロ野球珍プレー好プレー大賞2025』(フジテレビ系)でも、長嶋さんの思い出を2人で懐かしんでいた。驚きのエピソードを数多く持つ長嶋さんだが、目の色が本当に変わったというのは、なんとも“ミスター”らしい伝説だ。
つづく
なかはた・きよし
1954年1月6日、福島県生まれ。駒澤大学を経て、75年に読売ジャイアンツに入団。79年に一軍に定着し、「絶好調男」としてファンから人気を博す。84年のオールスターゲームでは二打席連続のホームランを打ち、一塁手として7年連続のゴールデングラブ賞に輝くなど、中心選手として活躍する。89年に現役を引退。野球解説者として、歯に衣着せぬ語り口で人気となる一方、読売ジャイアンツのコーチ、横浜DeNAベイスターズの初代監督など、指導者としても日本球界に貢献してきた。