アスリートの原点はメンタル「MLBはその強さ弱さがモロに試される」

──技術だけでなく、精神的な部分が重要ということですか?

「アスリートの原点はメンタルだから。技術があれば通用するなんて全然違うよ。技術があったとして、それを活かすも殺すもメンタル次第。MLBはその強さ弱さがモロに試される世界だから、日本では経験できない環境にどう対応するかだね。

中畑清

 あと、英語が話せなくてストレスが溜まることが多いだろうけれど、それをどう発散して切り替えていけるか。環境が違う海外とか未知の世界とか、俺だったら一番苦手だから気になっちゃう」

──中畑さんは明るいので、環境の変化も得意そうに見えていました。

「俺はもともと弱いんだよ(笑)。孤独が苦手な寂しがり屋の典型的なタイプ。メジャーなんか行ったら、絶対にダメだね」

 中畑さんはMLBでのプレー経験こそないが、1978年には日米野球に出場し、劇的なホームランを放っている。この一発は自身にとって大きな出来事だったという。次回はその記憶から語ってもらう。

つづく

なかはた・きよし
1954年1月6日、福島県生まれ。駒澤大学を経て、75年に読売ジャイアンツに入団。79年に一軍に定着し、「絶好調男」としてファンから人気を博す。84年のオールスターゲームでは二打席連続のホームランを打ち、一塁手として7年連続のゴールデングラブ賞に輝くなど、中心選手として活躍する。89年に現役を引退。野球解説者として、歯に衣着せぬ語り口で人気となる一方、読売ジャイアンツのコーチ、横浜DeNAベイスターズの初代監督など、指導者としても日本球界に貢献してきた。