現役時代から現在の野球解説者まで、常に前向きかつ快活な発言で周囲を楽しませてきた“絶好調男”中畑清さん。ときに冗談を交えつつの語り口が人気だが、一方でプレーの細かな機微までしっかり言及する、野球の目利きでもある。今回は敬愛する長嶋茂雄さんから、MLBの頂点にのぼりつめた大谷翔平選手、自身のCHANGE、そして愛する野球の未来まで、たっぷりと語ってもらった!【第9回/全10回】
1978年、当時1軍定着前だった中畑さんは、王貞治さんや堀内恒夫さんらとともに、巨人×シンシナティ・レッズの日米野球に出場。当時、MLBで最強チームといわれていたレッズ相手に、代打で2ランホームランを放った。
──WBCでは前回に続いての日米対決が注目されます。中畑さんも現役時代に、日米野球のレッズ戦でホームランを放っていますよね。
「そのときの俺はどん底だったから。いつ巨人をクビになるかもしれない、借金まみれになって家族ともども露頭に迷うんじゃないか…… ってときに長嶋監督が使ってくれた。そこで逆転ホームランを打ってラストチャンスをものにした打席は、野球人生の転機だったね。
あのときは途中出場で、自分のところで代打を出されるのかと思っていたら、長嶋監督が“何こっち見てるんだ、お前、代えてもらいたいのか? お前が行くんだ!”って、尻を強く叩いて出してくれてね。その打席で初球ホームラン!
そこから、そのあとの日米野球でも使い続けてくれて、翌年から巨人のレギュラーになっていくっていう流れなんだよ。長嶋さんと一緒に野球ができたというのが人生の大きな転機なんだけど、日米野球のあの打席が、その始まりなんだよね」