宮城県女川町に生まれ、慶應義塾大学を経て劇団文学座附属演劇研究所に入所し、翌年テレビドラマ『われら青春!』の主役としてデビューした中村雅俊。以来50余年に渡って第一線で活躍し続け、映画『五十年目の俺たちの旅』では主演だけでなく、監督も務める中村のTHE CHANGEとは──。【第1回/全5回】

中村雅俊 撮影/有坂政晴

 デビューするやいなや、青春スターとして大人気となり、俳優として、そして歌手としても常にトップを走り続けてきた、中村雅俊。しかし意外なことに、いまの彼があるのは“落っこちた”からなのだという。

 いったい、どういうことなのだろうか?

「おれね、宮城県女川町の高校生だったころは、ロシア……当時はソ連の、外交官になりたいと思っていたんですよ。そこで、東京外語大学を受験したんだけど、見事に落っこちまして、第2志望の慶應義塾大学へ進みました。いま振り返ると、これがおれの人生において、最大の分岐点、THE CHANGEでした」