「デッカい怪物に押しつぶされそうな気がする瞬間も」

 とはいえ、一番に考えたのは『俺たちの旅』を愛している人たちのこと。

「おれにとってこの作品が宝物であると同時に、関わったすべての人たち、見てくれた人たちにとっても大切なものですから、責任重大で、『俺たちの旅』というデッカい怪物に押しつぶされそうな気がする瞬間もありました。公開を控えている今が、一番そうなのかもしれないですね」

中村雅俊 撮影/有坂政晴

 映画の話が出てから編集を終えるまでの1年あまり、情熱を注ぎ込んで作った作品が、まもなく彼の手を離れて、新しい旅に出る。

「皆さんの期待に応えられたかな、という思いですよね。編集作業が終盤のころ、BS日テレで『俺たちの旅』の再放送をやっていて、見たらおもしろいんですよ(笑)。おもしろいんだけど、あのおもしろさを望んでいる人にとっては、今回の映画はちょっと違うかもしれない。だって、おれたち登場人物がみんな、年寄りになっちゃっているから(笑)」