脚本と作詞の違い「台本や小説には文字数の制限がないから、好きなだけ書けるんです」
作詞も舞台の脚本や小説、いずれも言葉を操る芸術活動に思えるが、どのような違いがあるのだろう。
「特に先にメロディーがある時は文字数が決まっているから、そこに、自分が伝えたい思いをあてはめようとピッタリはまる言葉を探すのが、もう本当にしんどくて。気が狂いそうでした。
その点、台本や小説には文字数の制限がないから、好きなだけ書けるんです。先に作詞を経験していたから、書くことが苦手だと思い込んでいたのかもしれません。友人のアドバイスに感謝ですね」
前田さんが描くのは、どこかにユーモアの感じられる温かな世界だ。作家として、大切にしていることは何だろう。
「大きなテーマとしては、ちゃんと人の愛みたいなものを描かなきゃという気持ちはあります。いろいろな形の愛があると思いますが、それを必ず表現したいと思って書いていますね。
僕にとって最大の褒(ほ)め言葉は、“面白かったよ”です。面白いって奥深い言葉で、文学的に興味深い作品にも当てはまるし、大笑いできるものにも当てはまりますよね。僕の場合は、難しいことは抜きにして、手放しで笑ってもらえるのが一番うれしいし、作家冥利(みょうり)に尽きます。
だから難しいことは書かないし、娯楽を描いているという気持ちです。メンバーが見に来てくれたときも、みんな“めちゃめちゃ面白かったよ”と笑いながら言ってくれるんです。それが一番ヤル気が出ますね」