現在も語り継がれるドラマ『池袋ウエストゲートパーク』のキング・安藤タカシ役でスターダムに駆けあがり、映画『GO』『凶気の桜』に主演した窪塚洋介。順風満帆かと思われたが、04年にマンション9階から転落。06年からはレゲエDeejay「卍LINE」名義で音楽活動を開始。17年には映画『沈黙-サイレンス-』に出演しハリウッドデビューするなど、とにかく「CHANGE」だらけの人生を歩んできた。窪塚さんはそれぞれの場面で、いったいどんなことを考えていたのだろうかーー?
【第2回/全4回】 

窪塚洋介 撮影/初沢亜利
窪塚洋介 撮影/初沢亜利

現場を変えた「お待たせしました!」

 取材の当日、各メディアの合同取材が終わると、個別取材の前にいちど休憩が入り、窪塚さんは取材ルームの外に出ていった。

 そして、それぞれの記者が段取りなどを確認しているところに、「お待たせしました!」と元気よく窪塚さんが戻ってくる。その瞬間に、現場の空気が一変した。

 タイミング、声量ともに完璧。窪塚さんはたったひと声で、現場を変えてしまったのだ。

 映画の撮影現場は、監督やカメラマンにメイクなど、さまざまな役割の人間が力を合わせて作品を作るチームプレイだといわれる。窪塚さんは、そんな現場をどう捉えているのだろうか。

窪塚「たとえば今日なら、質問しに来てくれた人、自分は質問に答える人っていうだけであって、まったくフラットだと思うんですよ。撮影現場でも、照明部の三番手の子も撮影監督も俳優も、同じ板の上に乗っているって思っているから。

 俳優も意味なくチヤホヤされているわけでなくて、カメラに映るから汗をかかれちゃ困っちゃう。だから、日傘をさしてくれたり、涼しいところに入れてくれるわけで、理由はあるんです」

 フラットな関係だからこそ、自ら率先して現場の雰囲気を作っていくのだ。